カテゴリー「公演レポート」の12件の記事

2008年2月 1日 (金)

イーゴリ公 最終リハーサル (現場レポート)

昨日までのカラフルで楽しい舞台とはうって代わり、12世紀のロシアにタイムトリップ!
幕が開くや絢爛豪華で圧倒的な舞台が広がります。
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歌手、合唱は圧巻!声の迫力、声の厚みに第一声から全身鳥肌に!
世界各地で何百回も上演している演目なのに、演出家が細かく指示。日本公演への意気込みを感じさせます。

「だったん人の踊り」を踊るソロダンサーは、バレエ団のプリンシパルが来日。公演が盛り上がることは間違いありません!
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「だったん人の踊り」を躍らせたら世界一、マリインスキー・バレエのプリンシパル、イスロム・バイムラードフにインタビュー。
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「フォーキンが振りつけてから100年にもなるこの踊りですが、理想的な振り付けで、その素晴らしさをいつも感じます。野性的で官能的な動き。このシーンになると、ポローヴェツの人々が住んでいた、はるかかなたまで広がるステップ地帯が目の前に浮かんできます。今まさに僕は馬から降りて踊り始める・・・そんな気持ちになります。踊りに感化されて、さらに踊りに没頭していってしまうのです。」

「今回はオーケストラ、そして合唱と一緒に踊るので、興奮しています。女声合唱が聴こえてくると・・・今こうして話しているだけでゾワゾワしてきてしまいます!」
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「朝から少しづつ少しづつ踊りへの気持ちが高まってきます。舞台そでに行って、音楽が聴こえてきたら・・・マッチを擦った瞬間のように、ボォッと僕の踊り魂に火がつくのです」楽屋では笑みを絶やさず、スタッフにも優しいバイムラードフ。

だからこそ、彼の「踊り」見逃せません。


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リハーサルでは名メガネコンビのイーゴリ公とヤロスラーヴナ

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アレクサーシキンとムルザーエフのベテラン2人がコンチャーク汗とイーゴリ公を演じます。男の友情に涙の予感…

≪おまけ≫
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自慢のカメラで撮影中のタノヴィツキー。激しく動きまわり指示を出す演出家をつまづかせてしまいました。


セルゲイ・ムルザーエフ

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なんと、今日から3日連続でスタートする「イーゴリ公」の主役を3日連続で務める予定のムルザーエフさん。リハーサルでも全力投球で、ゲルギエフに負けないほどの精力ぶりを見せています。
イーゴリ公役は何十回とこなしているのかと思っていたら…
「実はイーゴリ公を歌うのは、昨年末の北京公演が初めてでした。まだ興奮気味で、役作りに没頭しています。演出家いわく、イーゴリ公は「孤独の夢」を表す人ということ。
また、イーゴリ公を歌う難しさは、「バス・バリトン」というところにあります。とても声域が広くそして声量がいりますね」。
この3日間、ムルザーエフ演じる「孤独の夢」を肌で感じとってみてはいかがでしょうか。


♪演出家 イルキン・ガビトフ
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「イーゴリ公」のテーマは、ただの恋愛だけでも、争いだけでもなく、男の友情や親子や夫婦愛、人間的成長などが複雑に絡み合い演出が難しそうに思えます。
重要なのはロシアの歴史史上に基づいた物語ということ。それの基本に、人々の感情を描くオペラです。ヤロスラーヴナも、一番素晴らしい心を持つ人と、ロシア人の模範になっています。
また、スラブとオリエンタル2つの文化がぶつかり、お互いの豊かな面を交流させたところも感じ取ってほしいと思います。この作品は、お互いの「勝ち負け」でも「いい悪い」でもないのです。

「イーゴリ公」は、歌・合唱、音楽、舞踊すべての要素が重要ですが、どのようにそれらをまとめられてますか?
ロシア・オペラ自体、合唱が柱になっています。その合唱も、中ではいろいろな個性があるので、それぞれを強調させながら、個人も印象に残るように仕上げました。総勢200人がひとつの舞台に登場するオペラは稀です。その点を考えても、物語の流れが平坦にならないようにしたいです。
この日本公演では、新バージョンを披露します。もっとダイナミックになるように、凝縮しました。ゲルギエフと議論を重ね、「広々としたロシア」や「母なるロシア」を彷彿とさせる音楽を堪能していただきながら、現代の人にもうったえかけられる新しい顔の「イーゴリ公」にしました。

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ランスへの旅 最終リハーサル 【現場レポート2】

「ランスへの旅」 現場レポート2をお送り致します。

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ステージからまっすぐのびた花道。実は傾斜がかかっているのです。

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マエストロが衣装をつけて。帽子が似合ってます。

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コリンナのアリア、美しいハープの音に乗り会場中に響き渡りました。

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こんなオチャメなシーンも。だから、ロッシーニは面白い!

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チロルの歌。チャーミングな振付も見ものです。

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幕切れの重唱!
圧巻です。

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2008年1月31日 (木)

ランスへの旅 最終リハーサル 【現場レポート】

今日は「ランスへの旅」の公開リハーサルがありました。
特別協賛をいただいている野村グループのご好意により、学生が約300人あまり鑑賞しました。

大好評だった「3つのオレンジの恋」に続き新演出の楽しい舞台。
14人のソリストが次から次へと登場。声のバラエティーの豊かさに驚かされます。
歌が素晴らしいのはもちろんですが細かな演技にも注目ください。
今回は客席の真ん中に花道。歌手はもちろんゲルギエフもそこから登場します。

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ゲネプロ(本番直前のリハーサル)で美しい声を聴かせてくれたカラーギナ。「舞台や花道を動きながら声の調子、響き方をチェックしているの。本番はもっともっと上手く歌うわ!期待していてね。」と話してくれました。女主人の赤いスーツが似合っていました。

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「マエストロを待つ、コートと帽子」

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「リハーサル、スタートギリギリに到着したマエストロ」

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リハーサル直前、ばっちりカメラ目線のシトーダ

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花道をめいいっぱい使って歌うフォルヴィル伯爵夫人ラリーサ・ユージナ

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紅白歌合戦の○○さんよりも美しく光るコリンナ。

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客席も一緒に歌っているかのような錯覚に!?
先頭のリーベンスコフ伯爵役のシトーダは白馬に乗って登場します。

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本番直前に最終打ち合わせ!
マラトラとゲルギエフ

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2008年1月30日 (水)

公演後レポート イーゴリ公に向けて

1月29日「3つのオレンジへの恋」の最終日に舞台裏へ駆けつけ、ファタ・モルガーナ役のシマノーヴィチさんとトレーフ王役のタノヴィツキーさんに2月1日から始まる「イーゴリ公」について伺いました。


エカテリーナ・シマノーヴィチ
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2日連続の「3つのオレンジへの恋」ファタ・モルガーナ役で熱い拍手をうけたシマノーヴィチさん。次は、がらっと変わって「イーゴリ公」のヤロスラーヴナ役が待っています。

「『イーゴリ公』なしでロシア・オペラは語れません。なので、ぜひ聴いてほしいし、観てほしいです。自分の役どころは、若いのに試練を受ける役。我慢づよい女性像は素晴らしいですね。私は残念ながら我慢づよい女性ではないんですが(笑)」。


アレクセイ・タノヴィツキー
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今回の来日公演4演目中、なんと3演目に出演しているタノヴィツキーさんに、3回目のインタビューをしました。本番前や直後のタイミングにもかかわらず、毎回笑顔でこたえてくれます。

「『イーゴリ公』では2つのまったく違う役を演じます。
まずはコンチャーク汗。とても人間性が豊かな人で、強いキャラクターの役です。イーゴリ公と敵なのに友情を感じる、そんな大きな人間を演じるのはとても面白いです。もうひとつはガリツキー公でロシアの公爵、こちらは味方のはずなのに実は敵という役。難しいけれども楽しみです。日本の観客はとても温かく、日本で歌うのが一番好きです。」


≪おまけ≫
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公演直後のゲルギエフ。
この後、手前にいるマラトラと今日の公演について話していました。

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「ランスへの旅」の衣装を発見!

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2008年1月29日 (火)

「3つのオレンジへの恋」初日コメント

今日は「3つのオレンジへの恋」の初日。ゲルギエフの小気味いいテンポのプロコフィエフと、マラトラの楽しい演出に、「楽しい!」「あっという間だった」の声が続出しました。

江川紹子さん(ジャーナリスト)

「すごく面白かった!今までのロシア・オペラといえば、美しくて深いというイメージでしたが、こんなに楽しいロシア・オペラがあったなんて。とにかく驚きの連続で、合唱も声も豊かで、オーケストラ・ピットの中からあれだけの音が聴こえてくるのもすばらしかったです。ロシアの底力と楽しさを見せてもらいました」。

樋口裕一さん(作家)

「最高! 観客を巻き込んでいるので、さらに楽しかったです。この演出のすごいのが、舞台と観客をつないでいること。改めて、プロコフィエフのファンになりました」。

片桐卓也さん(音楽ライター)

「演出、楽しめましたね。この「3つのオレンジへの恋」は、劇場のカラーが一番よく出る作品だと思いました。合唱も多くちりばめられているから、多くの若手歌手がそろっているマリインスキー劇場はとても合っていると思いました」。

宮下博さん(読売新聞社・文化部)

「空間の使い方が上手でした。転換も早く、飽きない演出で、つくりがスピーディーでしゃれていました。あと、オーケストラのアンサンブルがどんどん緻密になっていきますね」。

山本益博さん(料理評論家)

ボックスから聴こえてくる音楽が素晴らしい。特に金管楽器の響きに惚れました!
スピーディーで、なんだかジェットコースターに乗っているようなオペラでした。
昨日の「ホヴァーンシチナ」もすごく良かったけれども、今日も。
最後の演目の「イーゴリ公」は現地で観て感動した作品。これも楽しみです。

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27日「ホヴァーンシチナ」コメント

船橋洋介(指揮者)

かなり見応えがありました。
なんと言ってもオーケストラのサウンドが無限に引き出されていますね。
キャスティングも本当に素晴らしい。ビッグネームではないのにそれぞれに味がありますね。そして重唱のよさが光っていました。
他の劇場では真似できない彼らのサウンドとロシアの醍醐味を感じました。

東条碩夫(音楽ジャーナリスト)

ゲルギエフ、満開!
素晴らしいオーケストラとコーラスには相変わらずの好調で感動しました。
ホヴァーンシチナは言葉のひとつひとつがロシアの歴史を物語っています。
ロシアの歴史を心得て観るとさらに面白いですね。

東条碩夫氏のブログ→ http://concertdiary.blog118.fc2.com/

佐々木喜久(音楽ジャーナリスト)

ロシア人でないとなかなかできないオペラ。
ロシアの香りがプンプン(実際の舞台も!)で、特に合唱の魅力を発揮するオペラですね。

松本学(音楽ライター)

ロシアのオペラは一粒で3度美味しいですね。
様々なオーケストレーションの比較をして違いを知るのも一興だし、たとえば「アレクサンドル・ネフスキー」など他のロシア・オペラも観ると、歴史においてもリンクしていたり、知識的な興味がどんどん広がります。
マリインスキーの「ホヴァーンシナ」は舞台美術や演出に説得力がありました。
歌手ではマルファが感動的でした。
女性の低い声、ロシアのメゾの深い声に魅了されるオペラですね。

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2008年1月28日 (月)

3つのオレンジの恋 最終リハーサル

「ホヴァーンシチナ」の興奮が冷めやらぬ東京文化会館では
本日初日の「3つのオレンジへの恋」のリハーサル現場から出演者のコメントとレポートが届きました!


ダニール・シトーダ(王子役)
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リハーサルの1・2幕の間に、額の大汗を拭きながら、今日の意気込みを話してくれました。
「マラトラの演出も愉快で喜びをもたらすもので、ゲルギエフのプロコフィエフの音楽の解釈も注目です。
僕の役どころは、憂うつ病にかかっていたのに、どうしても3つのオレンジを手に入れたくて、数日間で男の子が大人に変わる、というものです。アイディア、目的を持って行動します。」


セルゲイ・セミシクル(トルファルディーノ役)
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若々しさあふれる演技を見せるセミシクル。
「王子とトルファルディーノは幼なじみだから、誰がどういうことをしたら王子を喜ばせられて、気分をよくさるか知っています。このスペクタクルのすべての中心は、エネルギーと刺激があふれるこの役にあります」。


ゲンナジー・ベズズベンコフ(トレーフ王役)
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素敵に響く低音の声と優しい笑顔でトレーフ王の役どころを語ってくれました。
「自分は精神的に苦しんでいるお父さんの役です。目にいれても痛くない大切な大切な息子が、少しでも元気になってほしい、微笑んでほしい、と願っています。人間の心がよくなるのは、薬ではなく、楽しいことをやることですね」。


エカテリーナ・シマノヴィチ(ファタ・モルガーナ役)
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王子に「オレンジに恋をする」と魔法をかける魔女ファタ・モルガーナ役にこの作品の魅力をうかがいました。
「客席にいろいろな歌手が飛び出してきます。舞台と客席が一体となって、そこでもお客さんに楽しんでいただけると思います。ファタ・モルガーナがいい人なのか、悪い人なのか、私には分からないので、お客さんに判断していただければ」。


ユーリー・ヴォロビエフ(料理人役)
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女性を男性が演じる役。照れくさそうにこの役に選ばれたときのことを語ってくれました。
「この役をやってほしいと言われたとき、それまでに女を演じるということがなかったから、すごく楽しそうだと思いました」。




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新演出の公演は、舞台だけがステージではありません。
スピーディーで楽しい舞台!歌手もスタッフも劇場中を走り回っています。


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出番を待つ歌手たち。
ここは舞台袖ではありません!

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こわーい料理人!
素顔はこんな人なのです。

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観るからにワルーイ魔女!
動きまわるのに、たっぷりの声量で王の味方グループと闘います。

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昨日は荘厳な師ドシフェイを歌ったベズズベンコフ。
今日は息子を憂う王様役です。

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リハーサルの休憩中に、打合せする歌手たち。
多くの歌手たちを育ててきたゲルギエフの姉、ラリーサ・ゲルギエワのアドバイスには真剣に耳を傾けます。

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えっ!と思うようなところでも歌います。

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2008年1月27日 (日)

初日レポート3

初日の「ホヴァーンシチナ」に来場された方々から、終演直後の興奮のコメントをいただいています。

鈴木慶江(ソプラノ歌手)
Norie シャンパンを片手にホワイエでくつろぐソプラノ歌手の鈴木慶江さんに初日の「ホヴァーンシチナ」のご感想をうかがいました。
目を輝かせながら第1声は「とにかく面白かった!」という一言。
「ストーリーは少し難しかったですが、ゲルギエフの音づくりのおかげで音楽に自然に反応していました。緩急絶妙な指揮で、飽きない音楽づくり。ムソルグスキーのメロディーも美しく、耳になじむ音楽でした。 何しろパワーに圧倒され、ロシア人が歌わなければならない作品だと思いました。
とにかく、今日観ていてゲルギエフ、歌手、オケが一体となっていて、マリインスキー劇場はひとつの“ファミリー”だと強く感じました。
あとは、バス、バリトンの声にすっかり酔いしれました。「ホヴァーンシチナ」の上演が難しいとされる理由は歌手をあそこまでそろえるのが難しいからですね。また、ゲルギエフの手腕があるからこそ、この難しいオペラが成立するのだと思います。一般的に難しいとされるオペラこそ、一流の歌劇場が演奏しなければいけないですね」。


米崎栄和(指揮者)
感動というたぐいの言葉では言い表しきれないものでした。壮絶きわまりないドラマティックな舞台、まるでその場所にタイムスリップして、その歴史の真ん中に自分が居合わせているかのような錯覚におちいりました。


川久保賜紀(ヴァイオリン)
Tamaki

すばらしかった。(特にマルファとドシフェイが!)あまりの迫力に会場にいることを忘れてたしまうほど、舞台に没頭してしまった。


樋口裕一(作家)
とても素晴らしい公演でしたが、特に5幕に感動しました。 マルファを歌ったオリガ・サヴォーワは、まさにマルファそのものでしたね。 「没落の美」・・・今日の舞台で、その究極のところを感じました。 この他の演目もすべてチケットを買っています!


石戸谷結子(音楽評論家)
ホヴァーンシチナの舞台は、まさにロシアそのもの。魂のオペラですね。 ロシア・オペラの雄大さ、偉大さを感じました。


田辺秀樹(音楽評論家)
予想を超えて、はるかに、はるかに良かったです。 声量が立派なのはともかく、歌手陣が粒ぞろい!マリインスキー・オペラの底力を感じました。 「もっとこうなれば良いのに」とか「あー、これだけが残念」というようなフラストレーションを、全く感じない舞台。素晴らしさの王道を行くのが、マリインスキーですね。  ムソルグスキーは「ボリス・ゴドゥノフ」しか観たことがなかったのですが、甘美なメロディーに驚きました。圧倒的な迫力を持つ歌なのに、まじりけのない、澄んだ響き。本当にマリインスキーの歌手たちはスゴイですね。   


宮嶋極(スポーツニッポン)

初日ということもあってか、ゲルギエフのいつも以上の気合が伝わりました。オーケストラも厚みがあり、歌手も熱を持って歌っていたので、引き込まれるステージでした。転換も早く、観やすい演出、つくりで、ゲルギエフの西側に向けての発信を感じ取りました。オーケストラも緻密なアンサンブルでした。


岡本稔(音楽評論家)
ゲルギエフのロシア音楽も表現の幅が大きくなりましたね。弦もどんどん良くなってきていて、歌手も揃っています。マリインスキー劇場の今後がますます楽しみです。


L.A.ガムザ(在日ロシア大使館 文化担当官)
ロシアの歴史が印象深い、素晴らしいオペラです。ゲルギエフ率いるオーケストラと若い歌手たちの素晴らしい声が印象的です。

東条碩夫(音楽ジャーナリスト)
ゲルギエフ、満開!
素晴らしいオーケストラとコーラスには相変わらずの好調で感動しました。
ホヴァーンシチナは言葉のひとつひとつがロシアの歴史を物語っています。
ロシアの歴史を心得て観るとさらに面白いですね。

東条碩夫氏のブログ→
http://concertdiary.blog118.fc2.com/

佐々木喜久(音楽ジャーナリスト)
ロシア人でないとなかなかできないオペラ。
ロシアの香りがプンプン(実際の舞台も!)で、特に合唱の魅力を発揮するオペラですね。

松本學(音楽批評)
ムソルグスキーのオペラは一粒で3度美味しいですね。
音楽自体の魅力は当然ですが、たとえば《ホヴァーンシチナ》では彼のオリジナルとは別に、リムスキー=コルサコフやショスタコーヴィチらによるオーケス
トレイションがあるので、その解釈の違いを知るのも一興です。彼の《ボリス・ゴドゥノフ》も同様ですね。また、たとえばボロディンのオペラ《イーゴリ公》やプロコフィエフのカンタータ《アレクサンドル・ネフスキー》といった他の歴史ものとのリンクも面白く、多くの作品を知れば知るほど、ロシア史の知識がどんどん広がります。
今回のマリインスキーの《ホヴァーンシナ》は、歌だけでなく舞台美術や演出にも説得力がありました。
歌手ではマルファが感動的でした。
女性の低い声、ロシアのメゾの深い声に魅了されるオペラですね(勿論バス系も)。今回の来日公演は是非多くの人に聴いていただきたいと思います。

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初日レポート2:歌手たちのコメント

P1262232セルゲイ・アレクサーシキン

初日のホヴァーンスキー公を歌いあげたアレクサーシキンさんが、「ロシア・オペラ」についてベテランならでの思いを語りました。
「私にとってムソルグスキーとは何かといえば、心と体を癒してくれる、ロシアの薬草のようなもの。 ロシア・オペラの作品をひとつのパレットと考えると、その色彩で欠けているものはありません。そして、私にとってどのロシア・オペラも、人生と同じように欠くことができません」。
ロシア・オペラに対する深い愛が伝わってくるコメントでした。「イーゴリ公」では、コンチャーク汗を歌う予定です。


P1262246アレクセイ・タノヴィツキー

話し言葉も低く朗々と響く声のタノヴィツキーさん。今日の「ホヴァーンシチナ」への意気込みを語ってくれました。
「ホヴァーンスキー公は、面白く、単純ではないキャラクターでとても好きな役です。昨日のアレクサーシキンさんにもいろいろと教えていただいています。また、違ったホヴァーンスキー公を楽しんでください」。
「イーゴリ公」では、コンチャーク汗とガリツキー公を歌う予定です。ますます楽しみです。



P1262236_2 アレクセイ・ステブリャンコ


印象的なゴリーツィンを披露したステブリャンコさんは、もう「ホヴァーンシチナ」には100回ほど出演しているといいます。

「マリインスキー劇場では定番のオペラ。「イーゴリ公」「ボリス・ゴドゥノフ」などと並び、劇場の土台となるものです」。


ミハイル・キート
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難役ドシフェイを見事に歌ったキートさん、美人の奥様とともにコメントをいただきました。
「ホヴァーンシチナ」は宗教の対立がテーマになっていますが、ドシフェイは自分の意思を強く持ち、多くの人に影響を与えます。」 とのコメントを聞いた奥様は、「キートの演じるドシフェイなら、私はどこでも飛び込みます」と一言。のろけられました。

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假屋崎省吾さん、初日「ホヴァーンシチナ」に来場。

オペラで大感動の渦に!

「総勢400名!ロシアから来日したマリインスキー・オペラが、私を大感動の渦に巻き込んでくれました。」
假屋崎省吾さんは、世界一多忙なカリスマ指揮者 と言われるゲルギエフの大ファン。

いつもゲルギエフが指揮するCDを聴いてお花を活けるという假屋崎さん。今日の舞台も「近年稀に観る迫力で、大感動の渦に巻き込まれました!」と大興奮の様子でした。

今年、華道歴25周年を迎える假屋崎さん、
「良い音楽は私の血となり肉となり細胞に入り込んでいきます」とお花とオペラはもう切れ離せないもののよう。
会場には今回の来日公演をイメージしたお花も飾られ「エネルギッシュで、躍動感溢れるオペラのイメージ」で活けたとのことでした。
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今日は初日らしく、迫力満点でこの音楽を肌で感じて幸せです。みなさんも素晴らしい音楽で元気とパワーをもらえるので、この感動を一人でも多くの方と分かち合いたい! と話してくださいました。

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2008年1月26日 (土)

1/25リハーサル・レポート

ゲルギエフ&マリインスキー・オペラが来日し、1月25日に「ホヴァーンシチーナ」のリハーサルが東京文化会館で行われました。
舞台には本物さながらの聖ワシリー寺院がそびえ、伝統的なロシアの世界に深い声の合唱が響きわたりました。P1252083_5
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今日のリハーサルではホヴァーンスキー公役のタノヴィツキーやシャクロビトゥイ役のチェルノモルツェフ、 ドシフェイ役のキート、そしてマルファ役のサヴォーヴァがさすがに存在感のある演技力と歌唱で素晴らしく、ソリストから合唱の一人ひとりまで、だれもが高い歌唱力を誇るマリインスキー劇場のロシア・オペラは“圧巻”のひとこと! 26日からの公演にどうぞご期待ください!

出演者と演出家のインタビューをお届けします。

♪オリガ・サヴォーワ
難しい役どころのマルファを十八番とするサヴォーワ。リハーサル直後で疲れているとき
でも、マルファの魅力について、スラスラ語ってくれました。
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「マルファは、平民ではなく生まれもっての貴族。
彼女の心は常に自由で、エネルギッシュで、女性としても政治を動かすくらいの心の大きな人物です。
ラストシーン、マルファは神様のために死を選びます。
体も心もキレイになって神様のもとにいき、愛する人と天国で一緒になります。愛情にも重きを置いていたということです。
マルファを一番偉大だと感じるのは、自分の魂を投げうって人々の魂を救おうとするところです」
私服でメイクも落としたサヴォーワが、マルファそのものに見えた瞬間でした。


P1252183_3♪ズラータ・ブルイチェワ
マルファ役は、この日本公演で生まれて初めて歌うというブルチェイワ。
「マルファは、一言で言えば、複雑な人。最後は、愛情よりも宗教的な立場をとります。 マルファという人に近づくために、ロシアの歴史を深く考えました。
それぞれの歌手がそれぞれの考え方を持つので、いろいろなマルファになります」
話している最中にも、演出家バラトフに演技指導されていて、楽屋には緊張感がみなぎっていました。


♪アレクセイ・タノヴィツキー
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Dsc00350権力を掌中におさめ自信たっぷりのホヴァーンスキー公を、堂々と、そして心底憎々しく演じ、歌っていたアレクセイ・タノヴィツキー。
「音楽が僕をホヴァーンスキー公にしてくれます。音楽の素晴らしさに感動し、その熱い思いを歌に込めて伝えたいと思います。それがお客様の心に届き、お客様の感動を私たちに送り戻してくださる。劇場全体が感動に震えるような舞台をお約束します。」
にっこり笑って話してくれたたのでしたが、ステージでは、本当に憎たらしかったです!

♪ヴィクトル・チェルノモルツェフ
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ずっしりどっしり重く、地底を揺るがして響く声が、スタッフ全員をロシア・オペラの真髄へと誘ってくれたヴィクトル・チェルノモルツェフ。 とにかく圧倒的な声!
「この作品は、まず美しいメロディーの宝庫ですね。この役を何十回と歌ってきましたが、いつ歌ってもロシアの人々が心の奥底に持つロマンを感じます。日本のお客様は本当にロシアオペラを愛し、理解してくれていますね。日本で歌うことは、私にとって喜びであり誇りです」
短い時間のインタビューでしたが、私たちを楽屋に招き入れ、この役への思いを熱く語ってくれたチェルノモルツェフでした。

♪馬
今日のリハーサルには、日本公演に出場する“お馬様”計2頭が参加しました。
まずは、オペラの音に慣れるように練習。
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私たちスタッフが、その声量に圧倒されるのと同じで、このマリインスキー・オペラの大迫力には少しびっくりしたようです。

プロフィールをご紹介します。
☆茶色の馬・・・イーゴリ公に出演予定。
名前:カーフィー  北海道出身
年齢:8歳
Uma

☆白い馬・・・ホヴァーンシチナ、ランスへの旅に出演予定。
名前:ホワイトマインド アメリカ出身
年齢:12歳

♪演出家:ユーリー・ラプチェフ
「ホヴァーンシチナ」は歴史、政治、宗教が絡み合う複雑な物語ですが、この作品を手がけられるにあたり、どのようなことを考えられましたか?

Dsc02230 「歴史の流れ」と「悲劇性」を一番分かりやすく見せようと思いました。時代の特徴と香りが伝わる作品です。
最近は、このような歴史的事件を扱ったストーリーをモダンな演出で見せたりしますが、私はこのオペラを忠実に見せたいと思います。
特に、現代の社会でも常に起きていることと同じエモーションを持っている作品です。
保守的と革新的、ポジティブとネガティブ…。
もちろん、政治の世界でも、人間関係でも愛情関係でもあることです。

そのように、芸術作品の課題とは、それを見た観客に、歴史を現代の問題に分析してもらうことです。


ムソルグスキーのこの音楽はどう思われますか?

「まず、とても豊かな音楽だと思います。当時には理解されなかったものを、彼の死後、R.コルサコフがその時代のニーズに合わせたのでしょう。
また、リアルな感情を表現しているので、正しい発声よりも、感情を入れて歌い上げる、ということが大切ですね。
自分の父が歌手でしたので、マリインスキー劇場で育ったようなもので、「ホヴァーンシチナ」もずっと見てきました。20年前に初めてこの作品を手がけましたが、ずっと大切に思っている作品です。


《おまけ》
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↑セットの上でくつろぐ出演者。みんな見てますよ。

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↑最後の場面。炎は本物のようでした。必見です!

※画像はクリックすると拡大します。

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2008年1月25日 (金)

マラトラにインタビューと舞台装置

「3つのオレンジへの恋」、
指揮者のゲルギエフは観客席から登場するらしい!!

いよいよマリインスキー・オペラ開幕まで、あと3日となりました!
会場となる東京文化会館の舞台は、まず「3つのオレンジの恋」の舞台装置の組み立てから。
船便で40日かけて届いた舞台装置一式は、港からトラック8台に積み込まれてやってきました。特に「3つのオレンジへの恋」はオーケストラ・ピットの前に舞台をつくりこみ、観客席の前にせり出したところで、歌手が演技をし、歌を披露します。
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主役・3つのオレンジです。

E 28日から始まる「3つのオレンジへの恋」の主役は、憂鬱病にかかった王子の話。
来日3度目のマラトラ氏は日本事情にも少しづつ詳しくなっているようで、
「日本でも“ひきこもり”が社会問題になっているようですね。。。」と話を切り出し、
「この話は、宮廷が舞台のお話ですが、決して今の日本とはかけ離れていない、むしろ、今皆さまに観ていただきたい作品です。世界に飛び出していくことが怖い王子が、自分探しの旅に出かけるのですが、その中でようやく見つけるのが、“ハート to ハート 心のふれあいが世界を広げる”ということ。心と心が出会い、その中から新しいものが生まれてくる、それがこの作品が持つメッセージだと思います。」
ますます「3つのオレンジの恋」が楽しみです。

この演目と「ランスへの旅」を演出するフランス人のアラン・マラトラは、演劇畑出身の人。マラトラいわく、「観客をいかに舞台や出演者に心の距離を近づけさせるかということを考えています」。
「私は、劇場に来たすべてのお客様に、何か新しいこと、何か興味深いことを経験してもらいたいと思っているのです。いかに、作品の世界に入りこんでもらって、その世界の中で自由に過ごしてもらえるか・・・そんなことを考えていると、インスピレーションが沸いてくるのです。きっと皆さんに楽しんでもらえるステージになると思いますよ!」と話してくれました。

最後に「ランスへの旅」に設置される“花道”について「歌舞伎からイメージしたのですか?」と伺うと「花道はロックのコンサートでもあるよ!とにかく、このオペラは楽しい、興奮するものにしたかったんだ!」と話してくれました。

急なインタビューだったにもかかわらず、気さくに応じてくださったマラトラさん。
「公演当日は会場で、日本の皆さんの反応にドキドキしていると思います。お会いするのを楽しみにしています!!」と言って、舞台スタッフとの打合せに出かけていきました。

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「百聞は一見にしかず」、現地での制作過程を写真で見るとスムーズにすすみます。

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オーケストラ・ピットの外側に舞台を作りこんでいます。

F
日本も少し意識した舞台セット

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